「フェンダーのストラトキャスターについて詳しく知りたい!」
「自分に合ったフェンダーのストラトキャスターを選びたい!」
このような悩みに答えていきます。
- 今日の内容
- フェンダー社ストラトキャスターの歴史
- ストラトキャスターの種類
- ストラトキャスターの新スタイル・旧スタイルについて
- ストラトキャスターの主なパーツ・スペックについて
フェンダー社のストラトキャスターは、一言で「これ!」と言い切れず、
- 生産ライン
- 見た目・スタイル
- ボディ材質・ネックの種類など各部の違い
など、いくつかのポイントがあり、かなり奥が深いエレキギターです。
そこで、今回の記事では、「Fender(フェンダー)・ストラトキャスターの特徴とモデル選び」について解説していきます。
エレキギター初心者の方から、中級者・上級者の方まで、フェンダー社のストラトキャスターを選ぶポイントが見えてくるはずので、最後までご覧ください。
目次
Fender(フェンダー)社・ストラトキャスターの歴史とは?
年 | できごと |
---|---|
1951年 | テレキャスターの音色をより幅広くするために、ストラトキャスターの開発が開始される。 |
1954年 | ストラトキャスターが発売される。 |
1960年代 | ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フーなど、1960年代のロック・シーンを代表するバンドのギタリストが使用し、人気が急上昇する。 |
1966年 | ジミ・ヘンドリックスが登場し、ストラトキャスターの多彩な音色を駆使したプレイで、エレキギターの可能性を広げる。 |
2023年現在 | ロック、ジャズ、ブルースなど、さまざまなジャンルの音楽で活躍し、エレキギターの代名詞とも言える存在となっている。 |
フェンダーのストラトキャスターとは、1954年に発売されたエレキギターの代表的なモデルです。
当時、フェンダー社は世界初の量産型エレクトリック・ソリッド・ギターである「テレキャスター」を発売していました。
しかし、テレキャスターの音色は、当時主流であったギブソン社のレスポールなどよりも軽く、明るい音色だったため、一部のミュージシャンから不満の声が上がっていました。
そこで、フェンダー社は、テレキャスターの音色をより幅広くするために、3基のピックアップを搭載した新しいギターの開発を1951年から開始します。
すると、ストラトキャスターの登場が、エレキギターの歴史において大きな転機となり、これまでのギブソン社のレスポールやフライングVなどの、主流とされる重厚でロックな音色から、ストラトキャスターの軽快で明るい音色のエレキギターが普及し始めます。
そこから、ストラトキャスターを愛用するミュージシャンも数多くなり、
- ビートルズ
- ローリング・ストーンズ
- ザ・フー
- ジミ・ヘンドリックス
など、1960年代のロック・シーンを代表するバンドのギタリストが使用していました。
特に、ジミ・ヘンドリックスの登場により、ストラトキャスターはさらに大きな注目を集め、ストラトキャスターの多彩な音色を駆使したプレイで、エレキギターの可能性を広げました。
初心者でも扱いやすい設計のされたエレキギターなので、60年以上経った今でも多くの人に愛されていますよね!
Fender(フェンダー)・ストラトキャスターの種類は5つ
フェンダー社のストラトキャスターは、歴史も長く、人気も高いため、数多くの種類が販売されていますが、
- カスタムショップ(FCS)
- フェンダー
- スクワイア(Squier)
の3ブランドで主に展開されています。
さらに、フェンダーの生産地も
- アメリカ(USA)
- 日本(MIJ)
- メキシコ(MEX)
の3カ国に分かれています。
これらをカテゴリー化すると、大きく分けて5つになります。
それが以下の通りです。
- カスタムショップ(FCS)
- アメリカ(USA)
- メキシコ(MEX)
- 日本(MIJ)
- スクワイア(Squier)
一つずつ見ていきましょう。
①カスタムショップ(FCS)
フェンダーのカスタムショップ(通称:FCS)は、フェンダー社が製造する最高級のギターやベースを製作する部門です。
1987年に設立され、現在はカリフォルニア州コロナにある工場で、熟練した職人たちによって、1本1本丁寧に手作業で製作されています。
そのため、
- ボディやネックの木材は、厳選された良質な素材が使用されている
- ピックアップやブリッジなどのパーツは、ヴィンテージパーツを再現したものや、カスタムメイドのものが使用されている
- ボディの塗装やネックのフィニッシュは、職人の手作業で丁寧に仕上げられている
- ヴィンテージギターの仕様を再現したモデルも多く、当時の音やフィーリングを再現することができる
などの点が、カスタムショップは特に優れていると言われています。
そんな
- 材質・パーツ品質の高さ
- 職人の手作業による細部へのこだわり
が、プロミュージシャンやコレクターなどから高い評価を得ており、世界中のギタリストから憧れの存在となっています。
価格は数十万円から数百万円と高額ですが、それだけの価値のあるエレキギターです。
②アメリカ(USA)
フェンダーUSAもカスタムショップと同じく、アメリカのフェンダー社がカリフォルニア州コロナ工場で製造されています。
カスタムショップには多少劣るものの、高い品質と演奏性を備えているため、世界中のギタリストから高い評価を受けています。
そんなフェンダーのUSAには、
- American Professional II:フェンダーの最新技術を搭載したシリーズ
- American Ultra:最高級の素材とパーツを採用したシリーズ
- American Original:フェンダーの伝統的なサウンドを再現したシリーズ
- American Vintage:1950年代から1960年代のヴィンテージギターを再現したシリーズ
などのさまざまなシリーズがあります。
シリーズ名が「American(アメリカン)=フェンダーUSA」と認識してOKです!
③メキシコ(MEX)
フェンダーのMEXとは、メキシコのエンセナダ工場にて製造されるフェンダーブランドのエレキギターです。
MEX製は、製造コストを抑えるため、材料や製造工程を一部簡略化しているため、USA製に比べて価格が安いのが特徴とされています。
しかし、基本的な構造や音質はUSA製と遜色がないのに、価格は3万円台から15万円台とコストパフォーマンスに優れているため、初心者から上級者までの幅広い層に人気があります。
MIJやUSAと表記がないものはMEX製と認識してOK!
④日本(MIJ)
フェンダーのMIJとは、フェンダー社の日本工場「フェンダージャパン」で製造されたエレキギターです。
アメリカで創業された会社ですが、1982年から日本にも工場を設立し、日本製のフェンダーギターを製造しています。
そんなMIJの特徴はこのような感じです。
- 高品質:フェンダー社の高い技術力と、日本の職人の丁寧な仕事によって、高品質なギターが製造されています。
- コストパフォーマンスの高さ:アメリカ製のフェンダーギターと比べると、コストパフォーマンスに優れています。
- 豊富なラインナップ:ストラトキャスターやテレキャスターなどの定番モデルから、ジャズマスターやジャズベースなどのマイナーモデルまで、幅広いラインナップが揃っています。
また、以下の3シリーズにも分かれています。
- Heritage:各年代のフェンダーギターを忠実に再現したモデル。1950年代、1960年代、1970年代の3つの年代をベースにしたモデルがあり、当時のフェンダーサウンドを体感することができる
- Traditional:伝統的なフェンダーギターのスタイルを踏襲したモデル。現代的な仕様も取り入れられており、幅広いジャンルの音楽に対応できる
- Hybrid II:伝統的なスタイルに現代的な仕様を融合させたモデル。ヴィンテージなルックスとモダンなサウンドを両立している
価格は10万円台から20万円台ですが、品質面・機能面からかなり高い評価を受けています。
⑤スクワイア(Squier)
スクワイアは、フェンダーの人気モデルをリーズナブルな価格で提供する傘下ブランドとして、世界中で多くのギタリストに愛されています。
そんなスクワイアは、フェンダーの伝統的なデザインとサウンドを継承しながら、リーズナブルな価格で手に入るのが特徴なため、フェンダーのエントリーモデルとして初心者からの人気も高いです。
簡単に、スクワイアのエレキギターの特徴をまとめると
- ボディは軽量で取り回しやすい設計
- ネックはやや薄めで、握りやすい
- ピックアップはさまざまなジャンルの音楽に対応できるバランスの良いサウンド
のような感じです。
また、主に以下の3つのシリーズに分けられます。
- Affinity Series:比較的リーズナブルな価格で手に入るエントリーモデルのシリーズ
- Bullet Series:最もリーズナブルな価格で手に入るシリーズ
- Classic Vibe Series:ヴィンテージスタイルのギターを再現したシリーズ
価格は2万円台から8万円台と手頃で、僕の初めてのエレキギターはスクワイアでした!
Fender(フェンダー)・ストラトキャスターの「新スタイル」「旧スタイル」とは
エレキギターの定番モデルであるフェンダーのストラトキャスターには、
- 新スタイル(モダンスタイル)
- 旧スタイル(ヴィンテージスタイル)
の、設計の違いを大きく分けた2種類のスタイルがあります。
新スタイル(モダンスタイル)
「新スタイル」のストラトキャスターは、1980年代以降に登場したモデルで、現在主流となっているスタイルです。
特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- ボディ材:アルダー、アッシュ、マホガニーなど
- ネック材:メイプル、ローズウッドなど
- ピックアップ:ハムバッカー、シングルコイルのハイブリッドタイプなど
- フレット数:21フレット
- ネックシェイプ:Cシェイプ、Modern Dシェイプ
- スケール:25.5インチ
新スタイルのモデルでは、音色の幅広さと弾きやすさが両立した設計になっています。
また、ネックシェイプがCシェイプまたはModern Dシェイプになっており、初心者でも握りやすいです。
そんな新スタイルの代表モデルは以下の二つです。
- American Ultra
- Player Plus
どちらのモデルも、従来のストラトキャスターの特徴を踏襲しつつ、現代的なニーズに対応したアップデートが施されています。
American Ultra
項目 | 内容 |
---|---|
価格 | 30万円前後 |
ボディ材 | アルダーまたはアッシュ |
ネック | Modern Dシェイプ |
ピックアップ | Ultra Noiseless Vintage Stratシングルコイル |
トレモロ | Fender Ultra Tremolo |
コントロール | S-1スイッチ |
American Ultraは、フェンダーの伝統的なデザインと、最新の技術を融合させたエレキギターです。
高品質で多彩なサウンドを備え、フェンダーの最高峰シリーズとして知られていますが、その分価格が高価です。
Player Plus
項目 | 内容 |
---|---|
価格 | 15万円前後 |
ボディ材 | アルダーまたはアッシュ |
ネック材 | メイプルまたはローズウッド |
ピックアップ | Player Plus Noiseless |
トレモロ | Synchronized Tremolo |
コントロール | S-1スイッチ |
フェンダーのPlayer Plusは、フェンダーの定番モデルであるPlayerシリーズの上位モデルです。
本物のフェンダートーンに、少しエッジが加わったピックアップを使用したギターです。スムーズな操作性と、現代的なサウンドが特徴です。
旧スタイル(ヴィンテージスタイル)
「旧スタイル」のストラトキャスターは、1950年代から1970年代にかけて生産されていたモデルです。
特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- ボディ材:アッシュ
- ネック材:メイプル1ピース
- ピックアップ:シングルコイル3基
- フレット数:22フレット
- ネックシェイプ:UシェイプorVシェイプ
- スケール:25.5インチ
旧スタイルのモデルでは、新スタイルのストラトキャスターよりも、よりクラシックな音色と弾き心地を楽しめる設計になっています。
また、ネックシェイプがUシェイプやVシェイプになっており、握り心地が太く弾き応えがあります。
そんな旧スタイルの代表モデルは以下の通りです。
- American Vintage
- American Original
- Vintera
- Made in Japan Heritage
歴史は長く、さまざまなモデルが発売されています。
American Vintage
項目 | 内容 |
---|---|
価格 | 20万円台から30万円台 |
ボディ材 | アルダー |
ネック材 | メイプル |
ピックアップ | Pure Vintage ’50s・’60s・’70s |
トレモロ | American Vintage Synchronized Tremolo |
コントロール | 5ウェイスイッチ・マスターボリューム・マスタートーントーン |
American Vintageは、1950年代から1970年代にかけてのストラトキャスターの仕様を忠実に再現しています。
ヴィンテージモデルの雰囲気を味わいながら、幅広いサウンドを楽しみつつ、作りもしっかりしているのが特徴です。
American Original
項目 | 内容 |
---|---|
価格 | 20万円~ |
ボディ材 | アルダー |
ネック材 | メイプル |
ピックアップ | アルニコ5 |
トレモロ | 6点支持シンクロナイズド・トレモロブリッジ |
コントロール | 5ウェイスイッチ・1ボリューム・2トーン |
American originalは、ストラトキャスターの中でも上位モデルです。
1950年代から1960年代にかけてのストラトキャスターの伝統的な仕様を再現しており、幅広いジャンルの音楽に対応できるオールマイティさが特徴です。
Vintera
項目 | 内容 |
---|---|
価格 | 20万円前後 |
ボディ材 | アルダー・アッシュ |
ネック材 | メイプル |
ピックアップ | ヴィンテージスタイルのシングルコイル |
トレモロ | 6点支持のシンクロナイズドトレモロ |
コントロール | S1スイッチ |
Vinteraは、フェンダーの伝統と革新が融合したモデルで、50年代と60年代の2つのモデルがあります。
- 50年代モデル:よりクラシックなサウンドとフィーリングを重視
- 60年代モデル:よりモダンなサウンドとフィーリングを重視
という特徴もあります。
Made in Japan Heritage
項目 | 内容 |
---|---|
価格 | 約20万円前後 |
ボディ材 | アルダー・アッシュ |
ネック材 | メイプル |
ピックアップ | シングルコイル3基 |
トレモロ | 6サドル式ヴィンテージスタイルSynchronizedTremoloブリッジ |
コントロール | Master Volume・Tone 1. (Neck Pickup)・Tone 2. (Middle Pickup) |
Made in Japan Heritageは、フェンダーの伝統的なサウンドとルックスを体験できます。
日本の職人の丁寧な作り込みにもかかわらず、比較的リーズナブルな価格で購入できるという特徴もあります。
Fender(フェンダー)・ストラトキャスターの主なスペック・パーツ
フェンダーのストラトキャスターには、主に以下のようなスペック・パーツが備わっています。
- ボディ
- ネック
- ヘッド
- ブリッジ
- ピックアップ
- コントロール
それぞれ見ていきましょう。
①ボディ
一つ目は、「ボディ」です。
ボディは、ギターの音色や弾き心地を大きく左右する重要なパーツです。
それぞれの特徴を表でまとめたのが以下です。
項目 | 内容 |
---|---|
形状 | ダブルカッタウェイ |
材質 | アルダー、アッシュ |
塗装 | ソリッドカラー、サンバースト、メタリックなど |
重さ | 約3.5kg〜4kg |
✔︎形状
ボディの形状は、長方形を基調に、両肩の部分を「ダブルカッタウェイ」と呼ばれる形状で大きくくり抜かれています。
このカッタウェイにより、
- ハイポジション(音程の高い部分)が弾きやすい
- ボディの重心が下がり、バランスが良くなる
という特徴が生まれます。
✔︎材質
ボディ材には、主に以下の2種類が使用されています。
- アルダー(Alder)
・木目が細かく、明るく抜けの良い音が特徴
・最もオーソドックスなボディ材で、幅広いジャンルの音楽に対応できる - アッシュ(Ash)
・木目がはっきりとしており、力強くアタック感のある音が特徴
・ロックやブルースなど、パワフルなサウンドを求めるプレイヤーに人気
また、近年では、
- バスウッド(Basswood)
・軽量で弾きやすいのが特徴
・初心者や女性に人気
の材質も採用されています。
✔︎塗装
ボディ塗装には、定番カラーとして
- サンバースト
- ソリッドカラー
- メタリック
の3種類があります。
①サンバースト
サンバーストは、木材の色が見える部分と塗装で色をつけた部分がグラデーションになっている塗装で、ストラトキャスターでは、最もポピュラーです。
また、木材の自然な風合いと塗装の色が調和しており、高級感のある外観が特徴です。
②ソリッドカラー
ソリッドカラーは、木材の色が見えないように、塗料を1色で塗装したもので、
- ブラック
- ホワイト
- レッド
- ブルー
など、さまざまな色のソリッドカラーが用意されています。
③メタリック
メタリックは、塗料に金属粉を混ぜて塗装したもので、光に反射して輝くため、華やかな外観になります。
しかし、塗膜が厚くなるため、音が暗くなる傾向があると言われています。
✔︎重さ
ボディの重さは、ギターの音色や弾きやすさに影響を与えます。
- 軽量のタイプ:3.0kg〜3.5kg
- 標準的なタイプ:3.5kg〜4.0kg
- 重量級のタイプ:4.0kg〜
①軽量のタイプ(3.0kg〜3.5kg)
軽量なタイプは、持ち運びが楽で、長時間の演奏でも疲れにくいというメリットがありますが、音のボリュームや音圧が小さくなるというデメリットもあります。
②標準的なタイプ(3.5kg〜4.0kg)
標準的なタイプは、バランスの良い音と弾きやすさを両立しています。
③標準的なタイプ(4.0kg〜)
重量級のタイプは、音のボリュームや音圧が大きく、力強い音を出すことができますが、持ち運びが不便で、長時間の演奏で疲れやすくなるというデメリットもあります。
②ネック
二つ目は、「ネック」です。
ネックは、弦を押さえて音程を決めるパーツです。
それぞれの要素を表でまとめたのが以下です。
要素 | 概要 |
---|---|
ナット幅 | ネックの根元の幅 |
ネックスケール | ネックの長さ |
フレット数 | 指板に打ち込まれている金属の棒の数 |
シェイプ | ネックの形状 |
✔︎ナット幅
ナット幅とは、指板の端にあるナット部分の幅のことを指します。
弦を固定するためのパーツなので、ナット幅が広ければ弦と弦の間隔が広くなり、ナット幅が狭ければ弦と弦の間隔が狭くなります。
また、一般的に42mmが標準で、弦と弦の間隔が適度に広く、コードを押さえやすいので、日本人の体格にも比較的合っているとも言われています。
一般的な42mm幅以外にも
- 40mm:小柄な人や指が短い人でも弾きやすいナローネック
- 43mm:コードを押さえた時に少ない力で押さえることができるワイドネック
- 44mm:さらに少ない力でコードを押さえることができるスーパーワイドネック
などのヴィンテージモデルやナローネックモデルも存在します。
✔︎ネックスケール
ネックスケールとは、ブリッジの弦止め金具(サドル)からナットまでの長さのことで、弦の長さを表す単位です。
一般的に、スケールの長さによって音色や弾きやすさに違いが出るといわれています。
フェンダーのストラトキャスターは、標準で「ロングスケール(25.5インチ)」を採用しており、ギブソンのギターなどに採用されているスケールと比べて長く、音色は明るく、弾き応えは硬めになります。
また、スケールには、以下の3タイプにも分かれています。
- ロングスケール(25.5インチ):標準的なスケール。音色は明るく、弾き応えは硬め。
- ミディアムスケール(24.75インチ):ロングスケールよりも短いスケール。音色は柔らかく、弾き応えは柔らかめ。
- ショートスケール(24インチ):ミディアムスケールよりもさらに短いスケール。音色はさらに柔らかく、弾き応えは最も柔らかめ。
✔︎フレット数
ネックには、音程を決めるための金属製の棒「フレット」が等間隔に並んでおり、フレット数が多いほど、より高い音域を演奏することができます。
通常、
- 21フレット
- 22フレット
のネックを採用しています。
21フレット
21フレットのストラトキャスターは、フェンダーの定番モデルで、レオ・フェンダー氏が1954年に発表した初代ストラトキャスターのネックも21フレットでした。
高音域の演奏には不向きですが、低音域の演奏には適しています。
また、ネックの長さが短いため、小柄な方や初心者の方でも扱いやすいのが特徴です。
22フレット
22フレットのストラトキャスターは、近年登場したモデルで、21フレットよりも1フレット多く、より高い音域の演奏が可能になります。
ヘヴィメタルやハードロックなどのジャンルで活躍するギタリストに人気があります。
また、21フレットよりもネックの長さが長いため、音の伸びが良く、表現の幅が広がるのも特徴です。
✔︎シェイプ
シェイプとは、ネックの断面の形状のことを指します。
ネックの握り具合や弾きやすさは、ネックのシェイプによって大きく変わります。
そんなフェンダー社ストラトキャスターのネックシェイプは、現在、大きく分けて3種類あります。
- Cシェイプ
- Vシェイプ
- Uシェイプ
①:Cシェイプ
Cシェイプは、最も一般的なネックのシェイプです。ネックの断面が「楕円形」になっており、薄すぎず厚すぎない絶妙な握り心地が特徴です。
初心者から上級者まで、幅広いプレイヤーに人気があります。
②:Vシェイプ
Vシェイプは、ネックの断面が「三角形」になっており、握力が強く、しっかりとした弾き心地が特徴です
ロックやブルースなどのパワフルな演奏に適しています。
③:Uシェイプ
Uシェイプは、ネックの断面が「丸み」を帯びており、握りやすいのが特徴です。
クラシックやジャズなどの繊細な演奏に適しています。
③ヘッド
エレキギターのヘッドは、弦をペグに巻き付けてチューニングするためのパーツですが、ストラトキャスターのヘッドは、大きく分けて
- スモールヘッド
- ラージヘッド
の2種類があります。
スモールヘッドとラージヘッドの違いを表にまとめて比較したのが以下です。
項目 | スモールヘッド | ラージヘッド |
---|---|---|
ヘッドの幅 | 狭い | 広い |
ペグの配置 | 密集 | ゆったり |
弦の交換やチューニングのしやすさ | しやすい | やや難しい |
ギターのバランス | 取りやすい | 取りにくい |
音質 | 明るく軽快 | 力強く重厚 |
✔︎スモールヘッド
スモールヘッドは、1954年に発売された初代ストラトキャスターから採用されたヘッド形状です。
ネックの接合部分が細く、弦の巻き取り量が少ないため、軽量で取り回しがしやすいのが特徴です。
✔︎ラージヘッド
ラージヘッドは、1970年代に発売されたストラトキャスターに採用されたヘッド形状です。
ネックの接合部分が太く、弦の巻き取り量が多いため、重厚でパワフルなサウンドが特徴です。
④ブリッジ
ブリッジは、弦を固定したり、弦の音程を調整したりするためのパーツです。
ストラトキャスターには、「6サドル式ヴィンテージスタイルシンクロナイズドトレモロ(6-Saddle Vintage-Style Synchronized Tremolo)」というブリッジがスタンダード採用されています。
6サドル式ヴィンテージスタイルシンクロナイズドトレモロを分解して解説すると、
- 6サドル式:サドル(弦を固定する部分)が6個あることを意味し、サドルの数が多いと、細かいピッチの調整がしやすくなる
- ヴィンテージスタイル:1950年代から1960年代にかけてのストラトキャスターに採用されていたブリッジの形状を再現したものを意味する
- シンクロナイズドトレモロ:ブリッジとテールピースが連動して動くトレモロシステムを意味します。
となります。
また、6サドル式ヴィンテージスタイルシンクロナイズドトレモロには
- サドルを6つ備えており、細かい音程調整が可能
- 1950年代から1960年代のストラトキャスターのブリッジのデザインを踏襲しており、クラシックな雰囲気がある
- ブリッジとテイルピースが連動して動く機構により、トレモロアームを操作して音程を変化させることができる
のような特徴もあります。
⑤ピックアップ
ピックアップは、ギターの弦振動を電気信号に変換するパーツです。
その構造は、マグネットとコイルの組み合わせでできており、
- マグネット:弦の振動を磁力に変換
- コイル:磁力の変動を電気信号に変換
と、それぞれ役割があります。
また、フェンダーのストラトキャスターには
- フロントピックアップ(ネックピックアップ)
- センターピックアップ
- リアピックアップ(ブリッジピックアップ)
の、3つのピックアップが搭載されており、それらを組み合わせることでさまざまな音色を出すことができます。
①フロントピックアップ(ネックピックアップ)
フロントピックアップは、ネック寄りに搭載されているピックアップで、中域と高域が強調された、明るい音が特徴です。
②センターピックアップ
センターピックアップは、真ん中に搭載されているピックアップで、中域が強調された、バランスの良い音が特徴です。
③リアピックアップ(ブリッジピックアップ)
リアピックアップは、ブリッジ寄りに搭載されているピックアップで、低域が強調された、太い音が特徴です。
⑥コントロール
ストラトキャスターのコントロールには、大きく分けて
- ピックアップセレクタースイッチ
- ボリュームノブ
- トーンノブ
の3つが搭載されています。
✔︎ピックアップセレクタースイッチ
ピックアップセレクタースイッチは、先ほどご紹介した3つのピックアップ内どれを鳴らすかを切り替えるスイッチです。
そんな3つのピックアップを組み合わせながらピックアップセレクタースイッチを切り替えると、このように様々な音を作ることができます。
組み合わせ | イメージ音 |
---|---|
フロントピックアップのみ | 明るく歯切れの良い音 |
センターピックアップのみ | 中音域が強調された音 |
リアピックアップのみ | 太くパワフルな音 |
フロントピックアップ+センターピックアップ | バランスの良い音 |
センターピックアップ+リアピックアップ | 中音域が強調された音 |
ただし、あくまでもイメージ音なので、エレキギターの個体差や個人によって感じ方は異なるので、実際に音を聞いてみるのが一番です。
✔︎ボリュームノブ
ボリュームノブは、音量を調節するノブです。
ノブを回すことで、音量を大きくしたり小さくしたりすることができます。
✔︎トーンノブ
トーンノブは、音色を調節するノブです。
ノブを回すことで、音色を明るくしたり暗くしたりすることができます。
Fender(フェンダー)ストラトキャスターの選ぶポイント
これまで、フェンダーのストラトキャスターについて解説してきましたが、様々な仕様が存在し、かなり奥が深いことが理解できたと思います。
しかし、豊富すぎるがゆえに、どれを選べばいいのか迷う方もいるのではないでしょうか。
そこで、フェンダー・ストラトキャスター選びでオススメの視点(ポイント)をいくつかご紹介していきます。
- どのブランド・生産国か
- 新スタイルor旧スタイルか
- 見た目・カラーか
- どの搭載パーツ・スペックか
- アーティストモデルか
ポイント①:どのブランド・生産国か
一つ目は、「どのブランド・生産国か」というポイントです。
はじめの方に
- カスタムショップ(FCS)
- アメリカ(USA)
- メキシコ(MEX)
- 日本(MIJ)
- スクワイア(Squier)
の5つの種類に大きく分けられるということをご紹介しました。
そして、ここでは、
- 価格面
- クオリティ面
などについて、はっきりと区別できるので、モデル選びをする上で基準をつけやすいです。
そのため、ファーストステップとして、まずはこの5つの種類から自分のレベルと照らし合わせてみるのが良いでしょう。
ポイント②:新スタイルor旧スタイルか
二つ目は、「新スタイルor旧スタイルか」です。
新スタイルと旧スタイルで
- ボディ木材
- ネック材
- ピックアップ
- フレット数
- ネックシェイプ
など、設計の違いがあり、見た目だけでなく
- 音色
- ひきやすさ
などが変わってくることをこちらでご紹介しました。
そのため、設計の違いを評価した上で、その中からモデルを選んでいくこともオススメです。
新旧スタイルで挙げたそれぞれのモデルには、価格差がそこまでないので選びやすいです!
ポイント③:見た目・カラーか
三つ目は、「見た目・カラーか」です。
フェンダーのストラトキャスターには、
- サンバースト
- ソリッドカラー
- メタリック
など、カラー塗装されたモデルがいくつもあります。
特に、ソリッドカラーやメタリックカラーなど何種類もパターンを持つモデルもあるので、その中から直感で選択するのもロックでオススメです。
ポイント④:どの搭載パーツ・スペックか
四つ目は、「どの搭載パーツ・スペックか」です。
ストラトキャスターに使用されているパーツの中で、
- 材質
- ピックアップ
- ネックシェイプ
などのディティール面で、そのエレキギターが奏でるメロディーや弾き心地が変わってきます。
その点を優先的に意識しながら、厳選して好みの一本を見つけ出すのもオススメです。
ポイント⑤:アーティストモデルか
五つ目は、「アーティストモデルか」です。
例えば、フェンダー社のストラトキャスターを愛用していた
- Eric Clapton(エリック・クラプトン)
- Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)
- Eric Johnson(エリック・ジョンソン)
など、他にも多くの世界的に有名なギタリストのモデルがあります。
既製品とは異なる”本人仕様”のエレキギターに創り上げられているので、好みのアーティストモデルを選ぶのもオススメです。
よくある質問
よくある質問①:初心者はストラトキャスターのどのブランドを選ぶべき?
エレキギター初心者でフェンダーのストラトキャスターを選ぶなら、
- MEX
- スクワイア
がオススメです。
理由としては
- 価格が安め(2万円〜15万円台)
- 扱いやすいギター設計が施されている
からです。
もちろん、初心者で
- FCS
- USA
などの高品質かつ高価なギターにチャレンジすることはダメではありませんが、継続できなかった場合には、あなたやギターに悲しい結果が訪れてしまうかもしれません。
まずはエレキギターについて学び、慣れることを目指して、MEXやスクワイアを手に取ると良いですよ〜!
よくある質問②:初心者にはストラトキャスターの新スタイルと旧スタイルどちらがオススメ?
圧倒的に新スタイルがオススメです。
その理由としては
- 弾きやすい設計が施されている
- 幅広いサウンドに対応
- 扱いやすいパーツ・スペック
などが新スタイルにはあるからです。
ただし、旧スタイルには新スタイルにはない良さが詰まっているので、目指す方向性や目的が合うのであれば、チャレンジする価値は大いにあるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、フェンダー社のストラトキャスターの特徴やモデル選びについてご紹介してきました。
60年以上も歴史があるストラトキャスターは、様々なアーティストや背景を通して、成長を今現在も続けています。
それゆえに、どのモデルを選ぼうか迷ってしまうのも楽しみながら、あなたの納得のいく一本のストラトキャスターを探してみてください。
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